王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「宰相閣下、何か勘違いされているようですが。近頃、陛下が飲まれているお茶は、カウフ子爵領のシナモンティーですよ? あれは健康にいいそうですが、飲み過ぎると副作用を起こすようです。手の痺れとか、ふらつきとか……」
「なに……?」
 そこで慌ててアルマスが取り繕ったところで、彼が国王のお茶に毒を混ぜていたという事実が覆るわけでもない。
「衛兵、この者を地下牢へ」
 国王の言葉に従い、すぐに兵士がアルマスの身柄を拘束したが、そこで王はふらりと倒れそうになった。自分の飲み物に、アルマスの手によって毒となるものが混入されていた事実に、呆然としつつ身体から力が抜けたのだろう。
「陛下」
 国王の身体をすぐに支えたのは、ラモン伯爵であった。
「陛下、お話をお聞きください」
 身体を拘束されながらも、アルマスは弁解しようと声を張り上げた。
「お黙りなさい、アルマス」
 エメリーネの鋭い声が飛んだ。
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