王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
オディロンはエメリーネの手の甲に軽く唇を寄せ、立ち上がった。
二人が並んで進む先では、人がさっと避けて道を作る。シャンデリアの光によって会場は黄金にきらめき、まるでこの世界が二人のためにあるかのよう。
二人は三拍子の音楽に合わせ、ステップを踏み始めた。エメリーネのドレスが華やかに広がる。
「悪かったな、このような格好で。だが、上着だけは着替えてきたんだがな」
オディロンの声は、先ほどまでの硬い口調から一転、くだけたものに変わっていた。彼の唇に浮かぶわずかな笑みが、エメリーネの心を一瞬かき乱す。
「いいえ。こうして駆けつけてくださったことに心から感謝いたします。ですが、リマンドの街は落ち着いたのでしょうか」
その問いに、彼は怪訝そうに眉を寄せた。まるで言葉の裏を探るように。
「先ほども思ったのだが。世間知らずだと思っていた王女様は、意外と国内の情勢に通じているのだな」
エメリーネは微笑み、軽やかに足をさばきながら答えた。
「えぇ。愚かな王女を演じていれば、周りが勝手に動くでしょう?」
「ほう? それで裏切り者でもあぶり出すと?」
二人が並んで進む先では、人がさっと避けて道を作る。シャンデリアの光によって会場は黄金にきらめき、まるでこの世界が二人のためにあるかのよう。
二人は三拍子の音楽に合わせ、ステップを踏み始めた。エメリーネのドレスが華やかに広がる。
「悪かったな、このような格好で。だが、上着だけは着替えてきたんだがな」
オディロンの声は、先ほどまでの硬い口調から一転、くだけたものに変わっていた。彼の唇に浮かぶわずかな笑みが、エメリーネの心を一瞬かき乱す。
「いいえ。こうして駆けつけてくださったことに心から感謝いたします。ですが、リマンドの街は落ち着いたのでしょうか」
その問いに、彼は怪訝そうに眉を寄せた。まるで言葉の裏を探るように。
「先ほども思ったのだが。世間知らずだと思っていた王女様は、意外と国内の情勢に通じているのだな」
エメリーネは微笑み、軽やかに足をさばきながら答えた。
「えぇ。愚かな王女を演じていれば、周りが勝手に動くでしょう?」
「ほう? それで裏切り者でもあぶり出すと?」