王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
その声には、感謝と共謀の楽しさが混じっていた。エメリーネもいたずらっ子の仲間なのだ。
くすっと笑みをもらし、ドレスの裾を軽く整えた。
「それでも誘ってくる奴がいたら、そいつは愚か者だな」
オディロンの言葉は決して上品とは言えないのに、なぜかエメリーネの心をくすぐった。
「エメリーネ様、侍医を呼んでまいりました」
ラモン夫人が慌てた様子で、侍医を連れてきた。侍医のメルケルは六十歳近い男性医師であり、既婚者でかつ孫も三人いる。いつも落ち着いた物腰は、エメリーネに安心感を与えていた。
父王が彼にエメリーネの診察を許していたのも、その信頼ゆえだろう。
「エメリーネ様、こちらは痛みますか?」
メルケルは真剣な表情で足首を慎重に調べた。本当は足などひねっていないのに、エメリーネは芝居を続けるため、少し動かされるたびに「あぁ、痛いわ」と小さな声をもらした。嘘がバレないよう、内心で緊張しながらも、表面上は弱々しい表情を浮かべる。
「足首は腫れていないようですね。ですが、こうやって動かすと痛むようですので、しばらくは安静にしておいてください。もしかしたら、これから腫れてくるかもしれませんから、油断は禁物です」
くすっと笑みをもらし、ドレスの裾を軽く整えた。
「それでも誘ってくる奴がいたら、そいつは愚か者だな」
オディロンの言葉は決して上品とは言えないのに、なぜかエメリーネの心をくすぐった。
「エメリーネ様、侍医を呼んでまいりました」
ラモン夫人が慌てた様子で、侍医を連れてきた。侍医のメルケルは六十歳近い男性医師であり、既婚者でかつ孫も三人いる。いつも落ち着いた物腰は、エメリーネに安心感を与えていた。
父王が彼にエメリーネの診察を許していたのも、その信頼ゆえだろう。
「エメリーネ様、こちらは痛みますか?」
メルケルは真剣な表情で足首を慎重に調べた。本当は足などひねっていないのに、エメリーネは芝居を続けるため、少し動かされるたびに「あぁ、痛いわ」と小さな声をもらした。嘘がバレないよう、内心で緊張しながらも、表面上は弱々しい表情を浮かべる。
「足首は腫れていないようですね。ですが、こうやって動かすと痛むようですので、しばらくは安静にしておいてください。もしかしたら、これから腫れてくるかもしれませんから、油断は禁物です」