王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「そう……あの子たちはわたくしが利用してやったの……だから、何も知らないわ……」
「それは、俺たちが決める」
彼の言葉に、ほのかな安堵が胸をよぎる。オディロンは決して無垢な者を傷つけない男だ。 彼女たちの命が保障されるのなら、もう心残りはない。
「おまえがおとなしく俺に捕まるなら、考えてやってもいい」
「意外と、甘いのね。あなたはこの場でわたくしを殺しなさい。あの人も殺したのでしょう? これから二人で幸せの門出を迎えようとしていたのに……」
心にもないことをそれらしく口にするのも、もう慣れた。
「おまえは、本当にあんな男を好いていたのか? 自分の父親と変わらぬ年の男を」
オディロンの声に抑えきれぬ感情が滲む。彼の視線が、なぜかエメリーネの心をえぐった。
熱風が頬を撫で、目がヒリヒリと痛む。
彼に本当のことを伝えたい。だが、それをしてはならない。涙がこぼれそうになるのを、必死にこらえた。
「あなたには関係のないこと。さあ、早く。わたくしを殺しなさい」
「それは、俺たちが決める」
彼の言葉に、ほのかな安堵が胸をよぎる。オディロンは決して無垢な者を傷つけない男だ。 彼女たちの命が保障されるのなら、もう心残りはない。
「おまえがおとなしく俺に捕まるなら、考えてやってもいい」
「意外と、甘いのね。あなたはこの場でわたくしを殺しなさい。あの人も殺したのでしょう? これから二人で幸せの門出を迎えようとしていたのに……」
心にもないことをそれらしく口にするのも、もう慣れた。
「おまえは、本当にあんな男を好いていたのか? 自分の父親と変わらぬ年の男を」
オディロンの声に抑えきれぬ感情が滲む。彼の視線が、なぜかエメリーネの心をえぐった。
熱風が頬を撫で、目がヒリヒリと痛む。
彼に本当のことを伝えたい。だが、それをしてはならない。涙がこぼれそうになるのを、必死にこらえた。
「あなたには関係のないこと。さあ、早く。わたくしを殺しなさい」