王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
エメリーネは護身用の短剣を抜き自らの髪に当てるものの、その手がわずかに震えた。それは緊張のせいなのか、恐怖のせいなのか、エメリーネ自身もよくわからない。
オディロンに気づかれぬよう、声を大きく張り上げる。
「そしてこの首を、彼らの首と一緒に城門に晒せばいい。風にさらされ、鳥についばまれようとも、朽ち果てるまで」
――ザッ!
腰まで伸びた豊かな青銀の髪を、エメリーネはためらいもせずに一気に切り落とした。髪は絹糸のように流れ、炎に触れたところはちりちりと燃え始める。
「おまえは、本当にそんな女だったのか? なぜ、こんな道を選ぶ」
エメリーネの赤い瞳と、オディロンの赤褐色の鋭い視線が交錯する。一瞬、彼の瞳が揺れた。
「なぜ? この国をこのようにしてしまったのは、女王であるわたくしの責任です。死をもって償うべきでしょう?」
「違う。これはおまえのせいでは――」
「オディロン!」
その先は聞きたくないとでも言うように、エメリーネは声を張り上げ、短剣を自ら首元へと当てる。
オディロンに気づかれぬよう、声を大きく張り上げる。
「そしてこの首を、彼らの首と一緒に城門に晒せばいい。風にさらされ、鳥についばまれようとも、朽ち果てるまで」
――ザッ!
腰まで伸びた豊かな青銀の髪を、エメリーネはためらいもせずに一気に切り落とした。髪は絹糸のように流れ、炎に触れたところはちりちりと燃え始める。
「おまえは、本当にそんな女だったのか? なぜ、こんな道を選ぶ」
エメリーネの赤い瞳と、オディロンの赤褐色の鋭い視線が交錯する。一瞬、彼の瞳が揺れた。
「なぜ? この国をこのようにしてしまったのは、女王であるわたくしの責任です。死をもって償うべきでしょう?」
「違う。これはおまえのせいでは――」
「オディロン!」
その先は聞きたくないとでも言うように、エメリーネは声を張り上げ、短剣を自ら首元へと当てる。