王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
 そうなれば、やはりベルトルトは外せない。前回だって世情に疎かったエメリーネに、いろいろと教えてくれたのはベルトルトと彼の父、大司教のデオバルトである。
 彼らと話をしたいときは聖堂内の告解室を使えばいい。今だって、母との思い出を聞いてもらっているのだから。
(まずは、ベルトルトとデオバルトを味方に引き入れるのがよさそうね)
 そこでエメリーネは空になったカップをテーブルの上にそっと置いた。
 祝宴の名残もなく、外は静かに闇に包まれている。
 寝台に潜り込み、あたたかな寝具にくるまれたエメリーネは、静かに目を閉じた。

 次の日、足を怪我したことになっているエメリーネは、ほとんど自室で過ごした。
 さらに次の日、エメリーネはパーティーの贈り物の確認を始めることにした。これであれば、足が不自由であってもできる仕事だ。
 パーティーのような式典での贈り物は式武官らが現品を確認し、目録を作る。その後の管理はエメリーネの役目となっているため、目録を確認したいと式武官に連絡したのだ。昨日のうちに目録はできているだろう。
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