王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
9.
エメリーネは宝物庫にいた人物に鋭く声をかけた。
「アルマス、いったいこれはどういうことかしら?」
そこには宰相アルマスと、目録を作る式部官たち、そしてその長がいた。きらびやかに輝く金細工の箱が、ランプの光を反射させる。
アルマスもここにエメリーネが現れたのが意外だとでも言うかのように、苔色の目を一瞬、見開いた。
「エメリーネ様。足を痛めているのではありませんか? それなのにわざわざこのようなところまで……」
「えぇ。わたくしは目録を部屋に持ってきてほしいと頼んだのに、それができないと言われましたの。だからその理由を求めて、わざわざここまで確認に来たのよ? こんなに足が痛いのに」
手にしていた杖で、かつんと床を叩く。
硬い石に響く音が異様に大きく聞こえ、式部官たちは気まずそうに身を縮こまらせた。
ここにある贈り物はエメリーネ個人宛に送られたもの。それを一介の宰相が確認、管理するなど聞いたことがない。
宰相とは、国政の補佐が主だからだ。王女の私物の管理など、彼の仕事であるわけがない。
驚いた様子を見せたアルマスだが、すぐにいつもの飄々とした表情を取り戻し、穏やかな口調で話し始める。
「アルマス、いったいこれはどういうことかしら?」
そこには宰相アルマスと、目録を作る式部官たち、そしてその長がいた。きらびやかに輝く金細工の箱が、ランプの光を反射させる。
アルマスもここにエメリーネが現れたのが意外だとでも言うかのように、苔色の目を一瞬、見開いた。
「エメリーネ様。足を痛めているのではありませんか? それなのにわざわざこのようなところまで……」
「えぇ。わたくしは目録を部屋に持ってきてほしいと頼んだのに、それができないと言われましたの。だからその理由を求めて、わざわざここまで確認に来たのよ? こんなに足が痛いのに」
手にしていた杖で、かつんと床を叩く。
硬い石に響く音が異様に大きく聞こえ、式部官たちは気まずそうに身を縮こまらせた。
ここにある贈り物はエメリーネ個人宛に送られたもの。それを一介の宰相が確認、管理するなど聞いたことがない。
宰相とは、国政の補佐が主だからだ。王女の私物の管理など、彼の仕事であるわけがない。
驚いた様子を見せたアルマスだが、すぐにいつもの飄々とした表情を取り戻し、穏やかな口調で話し始める。