王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
「そうですね。ハーブティーの一種だとも聞いております」
 ハーブティー。ということは、原料は茶葉ではなくハーブ。となれば、きっとさまざまな効果や効能があるはずだ。
「エメリーネ様。装飾品は問題ないのですが、やはり茶葉などは早めに確認したほうがいいかと」
 シーラの指摘はもっともだ。
「もしかしてアルマスは、あそこで食べ物を探していたのかしら?」
「差し出がましいようですが、違うと思います」
「じゃあ、何をしていたの?」
 一度目のデビュタントでは、お礼状を書くという発想がなかった。誰も教えてくれないのだから、わかるわけがない。
 さらにあの誕生日以降、シーラもエメリーネから少しずつ距離を取るようになっていったのだ。必要最小限の身の回りの世話。それは着替えだったり湯浴みだったり。
 それまでは一緒にお茶を飲んだり、雑談を交わしたりしていたはずなのに、デビュタントを機にその関係が変わってしまった。
 だからエメリーネは孤立したが、救いの手を差し伸べたのがベルトルトである。
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