王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
婚約者かエメリーネか。どちらを選ぶか。決意と迷いが交錯する。
「でも、そのとき父が言っていたのです」
そこでシーラの声色が変わった。まるで何か重い秘密を打ち明けるかのように、彼女の言葉は一層、慎重になる。
「どこの家も貧しくなったと感じているのに、なぜか宰相閣下は潤沢なのですって。だからオウネル侯爵家も援助を頼んだようで……」
「なるほど……だから、アルマスが王城の品を盗んで、お金に換えていると……そう考えているのね?」
その問いに、シーラはこくりと頷くだけだった。
だが、あのアルマスならやりかねない。今だって父王を堕落の世界へと引きずり込み、正常な判断を奪おうとしているのだから。
いつからかわからないが、気がついたらすでにアルマスによる侵略は始まっていた。
母が亡くなったのもアルマスの仕業だ。愛する者を失い、気落ちしている男であれば、洗脳しやすいと思ったに違いない。
「シーラ。言いにくいことを教えてくれてありがとう。あなたも知っているように、ここ一年でわたくしの環境はがらりと変わってしまったわ。だけど、あなたが側にいてくれてとれだけ救われたか……」
そこでエメリーネは、シーラの手を取る。
「そこで、あなたにお願いがあるの」
エメリーネの静かな依頼に、シーラはごくっと喉を鳴らした。
「でも、そのとき父が言っていたのです」
そこでシーラの声色が変わった。まるで何か重い秘密を打ち明けるかのように、彼女の言葉は一層、慎重になる。
「どこの家も貧しくなったと感じているのに、なぜか宰相閣下は潤沢なのですって。だからオウネル侯爵家も援助を頼んだようで……」
「なるほど……だから、アルマスが王城の品を盗んで、お金に換えていると……そう考えているのね?」
その問いに、シーラはこくりと頷くだけだった。
だが、あのアルマスならやりかねない。今だって父王を堕落の世界へと引きずり込み、正常な判断を奪おうとしているのだから。
いつからかわからないが、気がついたらすでにアルマスによる侵略は始まっていた。
母が亡くなったのもアルマスの仕業だ。愛する者を失い、気落ちしている男であれば、洗脳しやすいと思ったに違いない。
「シーラ。言いにくいことを教えてくれてありがとう。あなたも知っているように、ここ一年でわたくしの環境はがらりと変わってしまったわ。だけど、あなたが側にいてくれてとれだけ救われたか……」
そこでエメリーネは、シーラの手を取る。
「そこで、あなたにお願いがあるの」
エメリーネの静かな依頼に、シーラはごくっと喉を鳴らした。