王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
12.
アルマスは苛立っていた。執務室に響くペンの音が止まり、苔色の瞳が怒りに揺れる。
その理由ははっきりしている。お飾りのエメリーネ王女が、自分の望むように動いてくれないからだ。
公爵位を持つアルマスは、王族とまったく無縁というわけではない。何代かさかのぼれば王家の血筋に連なるが、アルマス自身は王族ではない。何より、その血筋があまりにも遠すぎるのだ。
それでもタルボット公爵家は代々宰相を務めてきた由緒ある名家である。薄いながらも王家の血が混じっていることが、その立場を支えていた。
そんなアルマスが確実に王族の一員になるためには、女王となる者と結婚するのがもっとも確実である。
幸い、現国王には子が一人しかいない。だから次期国王となるのはその娘、エメリーネだ。ならば、彼女と結婚すればいい。
そして彼女を傀儡の女王とし、実権をすべて自分の手に収める。
それがアルマスの目論見だった。
その計画の最大の障害となったのが、聡明な王妃である。彼女は勘が鋭く、もしかするとアルマスの狙いすら見抜いていたのかもしれない。
王妃はエメリーネをアルマスから遠ざけ、自ら娘に必要な教育を施そうとしていた。
その理由ははっきりしている。お飾りのエメリーネ王女が、自分の望むように動いてくれないからだ。
公爵位を持つアルマスは、王族とまったく無縁というわけではない。何代かさかのぼれば王家の血筋に連なるが、アルマス自身は王族ではない。何より、その血筋があまりにも遠すぎるのだ。
それでもタルボット公爵家は代々宰相を務めてきた由緒ある名家である。薄いながらも王家の血が混じっていることが、その立場を支えていた。
そんなアルマスが確実に王族の一員になるためには、女王となる者と結婚するのがもっとも確実である。
幸い、現国王には子が一人しかいない。だから次期国王となるのはその娘、エメリーネだ。ならば、彼女と結婚すればいい。
そして彼女を傀儡の女王とし、実権をすべて自分の手に収める。
それがアルマスの目論見だった。
その計画の最大の障害となったのが、聡明な王妃である。彼女は勘が鋭く、もしかするとアルマスの狙いすら見抜いていたのかもしれない。
王妃はエメリーネをアルマスから遠ざけ、自ら娘に必要な教育を施そうとしていた。