王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
オディロンはおどけたように肩をすくめたが、その視線だけは鋭い。
「俺と王女様の結婚話が、一部で持ち上がっているのを知っているか?」
エメリーネは目を丸くした。それは初耳だった。
「第一継承権と第二継承権が結婚する。そうなれば次の継承権は二人の子となる。仮に王女様に不幸があって、俺が王になったとすればその次の王の血は薄れるだろう。血の薄い王を拒む民は、一定数いる。となれば、継承権を持つ者同士をくっつければ、血が濃くなる。それに俺たちの血はほどよく繋がっているものの、婚姻には支障がないからな」
オディロンの言うように、今、王位継承権を持つ者は王の娘のエメリーネと前王の甥にあたるオディロンのみ。女性にも継承権が認められ、直系が優遇される。直系が途絶えれば、遡って傍系へとつながる。
前王は不要な継承権争いを生まぬよう、子を一人しか持たなかった。また父王は、王妃の愛情を子に奪われるのを恐れていた。むしろ息子ではなく娘でよかったと、そう口にするほどまで。
オディロンの両親は十年前に亡くなっており、その父親の兄弟もまた不慮の事故で亡くなっている。まるで王家の血を絶やすかのように続いた不幸な事故だ。
「だが、王配であれば家柄と能力が備わっているかぎり、誰でも望めるだろう?」
「俺と王女様の結婚話が、一部で持ち上がっているのを知っているか?」
エメリーネは目を丸くした。それは初耳だった。
「第一継承権と第二継承権が結婚する。そうなれば次の継承権は二人の子となる。仮に王女様に不幸があって、俺が王になったとすればその次の王の血は薄れるだろう。血の薄い王を拒む民は、一定数いる。となれば、継承権を持つ者同士をくっつければ、血が濃くなる。それに俺たちの血はほどよく繋がっているものの、婚姻には支障がないからな」
オディロンの言うように、今、王位継承権を持つ者は王の娘のエメリーネと前王の甥にあたるオディロンのみ。女性にも継承権が認められ、直系が優遇される。直系が途絶えれば、遡って傍系へとつながる。
前王は不要な継承権争いを生まぬよう、子を一人しか持たなかった。また父王は、王妃の愛情を子に奪われるのを恐れていた。むしろ息子ではなく娘でよかったと、そう口にするほどまで。
オディロンの両親は十年前に亡くなっており、その父親の兄弟もまた不慮の事故で亡くなっている。まるで王家の血を絶やすかのように続いた不幸な事故だ。
「だが、王配であれば家柄と能力が備わっているかぎり、誰でも望めるだろう?」