アンドロイド総務部員(※心の中はエセ関西弁)は、一途なチャラ男の底なし沼から抜け出せない
【第77話】
「先輩、この物件のネットワーク回線なんですけど、ベストエフォート型ではなく帯域保証型のプランにすべきです。あと、間取り図を見る限り、コンセントの配置が――」
「あはは、律さん。まずはそこじゃなくて、リビングに置くソファの大きさを決めよう?」
週末、先輩の部屋で始まった「同棲に向けた新居探し」。
私は物件パンフレットを広げながら、いつもの監査官らしい理屈を並べようとするけれど、先輩に頭をポンポンと撫でられた瞬間、あっさりとその論理回路がフリーズしてしまう。
「……っ、はい。先輩の、お隣に置くソファなら……少し、小さめがいいです」
「え? 小さめ?」
「その……その方が、いつでも先輩と……ぴったり、くっついていられますから……」
そこまで言って、私は自分の発言の恥ずかしさに耐えかねて、パンフレットで顔を覆い隠した。
(あかん、また素でとんでもない甘えたこと言うてもうた……っ!)
(でも、嘘やないねん。週末だけじゃ足りひんくらい、先輩のぬくもりが、ウチの生活の『必須パッチ』になってしもたんや……)
「律さん、本当にもう、毎日俺をキュン死にさせる気?」
先輩は嬉しそうに私の手からパンフレットを優しく奪うと、そのまま私を自分の膝の上へと引き寄せた。バックハグの状態で耳元にキスを落とされ、私は完全にキャパシティオーバーを起こして、先輩の胸の中に心地よく沈没していった。
< 78 / 83 >

この作品をシェア

pagetop