魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「あ、そうだ!リリカ先生から「ワルプギルスナイトの準備を手伝え」って言われてここにきたのですが」

それを聞いて、アレクサンドラは不服そうに口角を下げた。

ワルプギルスナイト。

魔女たちが一堂に会する会議・・ではなく、単なる飲み会になっているのが現状だ。

参加人数が多くなるので、幹事役は場所や酒の準備と段取りに忙殺される。

それなのに、大魔女の同期、リリカはいつも面倒くさい事をこっちに押し付けて、さぼろうとする。

今回も文句を言われるのが嫌で、取りあえず、グリンカを寄越したのだろう。

「わかった。去年の資料は水鏡の部屋に置いてあるから、目を通しておいた方がいい」

「はい。先生」

グリンカは従順に頭を下げたので、アレクサンドラは腕組みをした。

まったくもって邪悪さが足らない・・・この子は。

目の前のグリンカは、おとなしくまじめな性格だ。

はたして魔女として、やっていけるだろうか?

ひと昔前の魔女は、ガラが悪く、わがままで自己中タイプ。一言で言えば「すれっからし」

魔女のありかたも変わってきている。

Z世代の魔女は婚活アプリを駆使して、条件のよいニンゲンのオトコを効率よく見つける。

邪悪さはオブラートに包まれ、魔女かニンゲンのオンナなのか見分けがつかないほど、境界線が曖昧になっている。


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