魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「いや、正確にはメタリックグレーで、光線の加減で色が微妙に変わる。
あいつの黒髪は、こっちの魔力に対して特別な耐性を持つしるしなんだ。

だから私らの魔法が通じないし、へたすりゃあいつの黄金の剣ですぱっと切られてしまう」

「へーー、そーなんですかぁ」

グリンカはそう言って、身を屈めて水面を見入っているアレクサンドラに

「先生、でも、なんでこんなところで、天界の極秘情報がとれるのですか?」

「随分と昔の話だろうが、この紫の羽は、大魔女が天使の翼から抜いたものだよ。
だからアタシはこの羽を使って、天界と秘密裏にコネクトできる回路をつくった。

でも映像だけで、音声は入らない。
羽は1本だけだから、パワーがない」

「へぇーー、すごいですね。こんなところで天界が見られる場所があるとは」

グリンカは興味深そうに、二人の天使の画像に釘付けだ。

「非公式だし、羽も古いから。いつ映像が途切れてもおかしくはないのだが・・・」

「でも、どうやって、誰が天使の羽を抜いたんでしょうね?」

グリンカが核心をついた質問をした。

「そうだね・・・」

アレクサンドラが、銀の小箱をひっくり返した。

「アレクシスって読めるけど、この箱の持ち主じゃないかな?」

「じゃぁ、この人が天使の羽を抜いたんでしょうか?」

グリンカは、箱と水盤に沈む紫の羽を交互に見ている。

「ある日、この魔女と天使が恋に落ちた・・・
そして、天使は「永遠の愛」を誓う代わりに、この羽を魔女に渡した・・・とか?」

アレクサンドラは、銀の小箱のふたを開けた。

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