魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
<長老の依頼>

「今回の魔女討伐について、グルシア、君の功績は十分評価に値する」

最高位の天使セラフレイムは、長老の姿で片手を上げた。

「おほめいただき、ありがとうございます」

グルシアが頭を下げたので、長老は真っ白な髭に手をやり、満足げに深くうなずいた。

「その事後処理の件で、大魔女アレクサンドラについては、君に対応してもらいたい」

天界の事後処理。

天使が魔女を捕まえると、ニンゲン界に移送される。

そして、GPS、つまり天界識別の徴(しるし)をつけられる。

徴(しるし)は、ニンゲン界での魔女の動きをコントロール・管理するためにつけられる。

魔女はニンゲンとして一定期間、生活をしていくと、魔力がなくなり無害化していく。

邪悪な特性が、薄れてくるのだ。

もちろん、例外もある。

生活環境が悪いと、邪悪性をなかなか抜くことができない。

「今回は、大魔女ですから、海の中か岩とかに封印したほうが早いと思いますが・・」

封印とは、永遠の眠りを意味する。

グルシアは上司である長老に、自分の意見を申し立てた。

天界のこの分野(いわゆる魔女狩り)では、責任者はグルシアであったし、他の天使もそれは認めるところだ。

「そうしたいのは山々だが、我々の掃除が行き過ぎるとニンゲン界に影響がでてしまう」

長老は手で、自分の紫紺のトーガの埃を払うしぐさをした。

< 23 / 92 >

この作品をシェア

pagetop