魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「ニンゲンは、清い泉には住めない存在なのだ。憧れは強くあるがね。

そこそこ、魔界的な欲望があってこそ、ニンゲン界は発展するし、それがきっかけで飛躍的に神性が伸びる者もいる。
下級天使を飛び越えてしまうほどの、神聖に激変する場合もある」

グルシアは、ため息をついた。

それでは、いつまでたっても自分の仕事は減らないし、先が見えない。

「悪魔や魔女も、ニンゲン界に野放しにするべき理由があるとお考えなのですね」

グルシアの憤りを察してか、長老はフンと鼻を鳴らした。

「その通り。だから魔女に徴(しるし)をつけて、ある程度のコントロールしながらも、ニンゲン界を守らねばならない。
魔女は、日常生活をしていくうちに邪悪さが抜けてくる。
要はバランスをどう取るのかが、我々の課題になる」

長老は腕組みをして、自分の持論に納得するように何度もうなずいた。

「当然、君は徴(しるし)のつけ方をしっているだろうが」

徴(しるし)をつける。

簡単に言えば、ニンゲン界で魔女と天使が性行為をする。

天使の体液が魔女の体内に注がれれば、徴(しるし)がつく。

徴(しるし)をつけられた魔女は、記憶を書き換えられて、普通のニンゲンのオンナとして生きていく。

「ええ、通常は、邪悪度のランクをつけて、天使に近いニンゲン界のオトコを使うことが多いです」

グルシアは、ニンゲン界の結婚式を思い出していた。

魔女だったオンナは、純白のウェディングドレスを着て、その姿は美しい。

< 24 / 92 >

この作品をシェア

pagetop