魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
天使に昇格したばかりの者や、ニンゲンに近いオトコ天使も時々引っかかることがある。

姫君か・・・そう言えば、遠い昔に守護天使をやったことがあった。

「ああ、君とは違うタイプだな」

グルシアはその挑発を軽く流して、ネクタイを緩めた。

バタン

玄関のドアが開いた音が響いた。

「天使長様、コンビニで買ってきましたが・・・」

買い物に行っていた下級天使が、寝室のドアを開けて顔を覗かした。

「むん、スイーツは何を買ってきたのだ?早くよこせ」

魔女は身を乗り出して、素早く反応した。

グルシアはレジ袋を受け取り、入っていたものをベッドの上にぶちまけた。

卵サンド、ペットボトルのお茶、抹茶プリン、ティラミス。

「おう、これは新発売のやつだな。
そう、抹茶シリーズで、有名な茶師が監修しているやつだ」

魔女は、コンビニスィーツに精通しているらしい。

目を細めてウキウキ気分らしく、さっそくプリンの上蓋をはずし、スプーンですくって口に入れた。

「やだっ、んまぁーーい」

やだっ・・・って、まったく、女子高生じゃないか。

魔女は左右に体を揺らして、喜びを表現している。

グルシアはその様子を見て、思わず苦笑いをしてしまった。

話題のスィーツでご機嫌になる様子を見ると、考えていたよりも、子どもっぽく単純な奴なのかもしれない。

プリンに夢中になっている魔女を横目に、グルシアは下級天使たちに命じた。

「君たちは帰還しなさい。あとは私が監視するから。

明日、定時会議に出席すると長老に報告をしてくれ」

「わかりました。お気をつけて」

やっと役目が終わったとばかりに、下級天使たちは光の渦と共に消えていった。
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