魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
<魔女のデリケートなプライバシー問題>
魔女は抹茶プリンを完食すると、すぐにティラミスに取り組み始めた。
グルシアは隣のベッドに座り、その様子を観察していたが、疑問が浮かぶ。
なぜ、こいつが大学入試会場に、わざわざ受験生として現れたのか?
「君はアラキサラと名乗り、私の大学を受験したな?その目的はなんだ?」
魔女はプラスチックスプーンをくわえて、柄をブンブンと上下させた。
「アンタを見るため」
グルシアはその答えに、額にしわを寄せた。
「なぜ、私を見に来た?」
「そーだなぁ、どーやったら、誘惑できるかな?とか?」
そう言いながら、魔女はティラミスにスプーンを突き刺し、ぐちゃぐちゃに混ぜた。
「ニンゲンと違い、簡単に誘惑に乗らないことくらい知っているだろうが!」
グルシアの口調が厳しくなった。
「んん・・でも絶対じゃないし」
魔女は、水盤の底に沈んだ紫の羽を思い浮かべた。
この大天使長は知らないのだ。
あの羽は、天使と魔女、禁じられた愛の痕跡。