魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「まぁね、うまく誘惑できれば、ピロートークで有益な情報が取れるかもしれないし」

魔女は目を細めて、グチャグチャのティラミスを口に運んだ。

「はっ!うんまい!!」

「ふむ・・・」

こいつが<百合の花>なら、何の目的があって地上に出て来たのか?

魔界の新しい戦略とか・・大きな計画の一環なのか?

「それでは・・・なぜ君が<百合の花>の魔女なのか、その理由(わけ)を話せ」

その瞬間、魔女は猫が威嚇するように、額にしわを寄せた。

「さっきも言っただろうが。私の個人的な事情でしかない」

「説明をしないのなら、食事抜きで、どこかの岩に封印するぞ」

グルシアは立ち上がり、腰に手をあてて魔女を見下ろした。

「ここで、お前に話してもなぁ・・・?」

魔女は首を左右に揺らして、目を細めている。

情報を出し惜しみして、何かの交換条件を出すつもりなのだろう。

「まず酒が飲みたい。たばこも吸いたい」

グルシアは上着のポケットから煙草を出すと、魔女の足元に投げた。

「メンソールの軽いやつしかないのかぁ、もっとタールとニコチンの・・」

その要求を無視して、グルシアはクローゼットの奥に入った。

出て来た時には、赤ワインの瓶が手にある。

「もっとテキーラとか、ウォッカとかアルコール度数の強いやつがいいんだけどな。
それに何か、つまみになるものが欲しいなぁ」

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