魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
魔女はまたワインを一気飲みして、グラスが空になるとグルシアをにらみつけた。

「あんたらの徴(しるし)は、オトコを食った魔女につけるものだろうが。
アタシは魔女としてキャリアを積んだが、嘘に嘘で塗り固めたものだ」

「・・なるほど」

それ以上のコメントができず、グルシアは煙草の灰が落ちてもフリーズしていた。

魔女の詐称問題・・・

こいつの少女の姿は・・性への苦手意識、たぶんトラウマのせいなのだろう。

だから荒木沙羅は、正確には魔女ではないから・・・臭いもしなかったのか。

「お前らが言う百合?なんて、魔女にとっては、全く価値のあるものじゃない。
むしろ、どんだけぇーーー、オトコを食ったのかが、勲章になるんだよぉ・・」

最後は語尾が消えかかり、魔女はグテッと軟体動物のように机にうつぶせになった。

グルシアは黙って、魔女のグラスにワインをつぎたした。

ライバルの魔女リリカのいやがらせがあって、こいつのキャリアが大きく変わったのか。

それにしても・・・

グルシアは、混乱ぎみの頭を整理しようと試みたが・・・

「煙草、もう一本くれ」

魔女が顔を上げ、疲れたように手を出した。

「ああ」

グルシアは箱から煙草を押し出し、火をつけた。

魔女はたばこをくわえて、目を細め大きく煙を吐いた。

「おいっ、嘘は言ってねぇーぜ。こんなくだらないことで、嘘ついても意味ねーし」

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