魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
<天界でのサリエルとの会話>
天界の上級天使会議が、やっと終了した。
グルシアが自分の執務室に戻ると、未決済の書類が山になって机に上に置かれている。
それを見て、またもやため息をついていると
「どうだね、荒木沙羅ちゃんとの新婚生活・・いい感じでやっているかね」
サリエルが、興味津々の顔つきで入ってきた。
緋色に金の月桂樹の刺繍の帯飾りをつけ、美形で有名な大天使だ。
が、優雅な歩き方をしながら、気配を隠すので、油断ができない。
「アレクサンドラは・・更生計画にそって、まずニンゲン界の生活に慣れさせるが・・」
グルシアが額にしわを寄せて、言いよどんだ。
XLのディルドの宿題。
ラブドールの使用による精液採取。
それに伴う大魔女の詐称問題。
次々と魔女が発した単語が、脳裏によみがえる。
「彼女はちょっと普通の魔女とは感じが違うね。
魔女でも、聖別された<百合>って聞いたけど?
で、通常の徴(しるし)はつけられないのだろう。どうするのさ」
グルシアは、手早く書類を分別をするふりをしながら、サリエルに動揺を見せないように装った。
「ニンゲンの生活に慣れれば、邪悪度もそれにともなって低下するはずだ。
その段階で、今後の処遇を判断する。今はそれしか言えない」
サリエルは、自分の緋色のメッシュが混じる金の髪に触れながら
「グルシア、君、会議中もそわそわしていたよね。
早くニンゲン界に帰りたいんじゃないの?
新婚さんだもんねぇ。
可愛い沙羅ちゃん、一人にしておいて心配だよね」
サリエルはからかうように、グルシアの反応を楽しんでいる。
グルシアは翼を軽く振って漆原の姿になると、黒縁眼鏡をかけてじろりとにらんだ。
こいつも中身は邪悪に違いない。
天使の皮をかぶった妖怪だ。
「俺は忙しいのだ!さっさと出ていけ」
お怒りモードのグルシアを見て、サリエルはからかうように笑った。
「そのうち、様子を見に行くよ。天使長の奥様にお会いするのが楽しみだ」
そして緋色の翼を振って消えた。
確かに・・心配だ・・!!!!
グルシアは書類をそのまま置くと、金粉をまき散らして速攻でニンゲン界に戻った。