魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「はい。その時、私を支えてくださったのが、スクールカウンセラーの先生でした。
それで・・・
私もその先生のようになりたいと思い、こちらの学校で心理学を学びたいと考えるようになりました」

荒木沙羅は、ここは準備をしてきたようで、よどみなく答えた。

「そうですか。荒木さんは将来、どんなカウンセラーになりたいと考えていますか?」

「はい。悩んでいる生徒さんに寄り添い、温かく接することができる先生になりたいです」

そこで、能面の表情のない顔が漆原に向けられ、ふっと微笑みを見せた。

エメラルドの瞳の奥に、青い炎が揺らいでいる。

磁石に惹かれる様に、その炎に見入ってしまう。

この感覚は・・・どこかで・・・そしてまた軽いめまい。

漆原は眼鏡をはずし、まばたきを何度かした。

樫崎先生は日常生活についていくつかの質問をし、荒木沙羅はその質問に完結に答えていく。

10分ほど立って、樫崎先生は教室の壁にかかっている時計を、チラッと見上げた。

「それでは、面接は終了しますので、退出していいですよ。
そのまま、気を付けて帰ってくださいね」

「はい、ありがとうございました」

荒木沙羅は椅子から立ち上がり、丁寧にお辞儀をして教室から出ていった。

ガラガラ・・・引き戸が閉まった。

曇り窓ガラスごしに、灰色のシルエットが亡くなるのを確認すると、樫崎先生は面接表にコメントを記入しはじめた。
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