魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
私を挑発するのが、楽しいのか。こいつは魔女だからな。

いや、待てよ・・・こいつは百合の花だから・・・

グルシアは顔をしかめて、冷静な口調で言った。

「君は口だけは、たっしゃな魔女だな。
しかし百合の花だから、行動が伴っていないだろうが?」

魔女のエメラルドの瞳がついっと揺れたので、核心をついたのだろう。

悔し気にフォークで、ホットケーキの中央をぶっ刺し、ジロリと上目使いに見た。

「アンタは相当な数、魔女に徴(しるし)をつけたんだろーな」

グルシアは冷めたコーヒーを、一口飲んで答えた。

「それほどでもない」

それほどでもないって・・・こいつはクールな顔をしながらも、結構やりまくっているじゃん!

そう言いたいのか、魔女の額にぐぐっとしわがよった。

「そーーか、アンタぐらいのランクになると、魔界ならトップクラスのインキュバスになれただろーよ」

「ああ、そうだろうな」

「フン・・・毒も呪物も入ってねーぜ」

魔女は負けを認めたくないのか、トプトプとメープルシロップを注ぎ、皿にあふれるほどにした

魔女を、返り討ちにするのは面白い。

グルシアは、無言でバクバク食べている魔女の顔を見て苦笑した。

口のまわりをシロップで、ベタベタにしている。

グルシアも一口大に切って、口に入れた。

「美味しい」

バターとバニラの香りが広がり、ほんのりと甘い優しい味がする。



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