魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「マジで、うまいと思っている?」

魔女が食べる手を止めて、じーーーっと、疑いの目で見ている。

「ああ、おいしいよ」

グルシアはごく普通に返答をしたのだが、

「そうか・・よかった」

魔女はホッとしたというか、褒められ慣れていないのか、鼻の下をゴシゴシこすった。

さらに追加のメープルシロップをかけてから、トロトロのケーキを口に放り込んだ。

「んふっ・・甘いね」

この魔女は甘い物を食っている時、本当に幸せそうな顔をする。

思っていたより、素直で可愛い反応ではないか?

グルシアはコーヒーを一口飲んで、話題を変えた。

魔界の状況を探るのも重要だ。

「君は、魔界で休みの時は・・・いつも何をしている?」

雑談の中で、それとなく情報を取るのもテクニックだ。

「はぁ、あそこは本当にブラックだからな。
休みなんてほとんど取れないけど、ニンゲン界に視察で行く時は・・・
時間があればワイナリーに行く」

ゲホッ・・

なんと・・・ワイナリーとは、グルシアはむせこんだ。

「いや、どう見たって、その未成年の姿じゃまずいだろ?」

女子高生、いや下手をすれば、中学生に間違えられてもおかしくはない。

「そん時は、魔力でもう少し大きいお姉さんになるし。問題ない」

着ぐるみ姿ですまして答える魔女に、グルシアは我慢できず吹き出してしまった。

「大きいお姉さん」って、その言い方がカワイイ・・・

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