魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「アンタも天界とこっちで忙しくて、買いにいっている暇がないだろう。
お姫様とやる時必要だし?

サイズはLかM?一応、両方買っといた。
ううんと、好みもあるからな・・・取りあえず極薄タイプにしておいたけど」

細い三日月のように弧を描く目、そのエメラルドグリーンの硬質な輝きが、グルシアに突き刺さる。

それは、もしかして、XLだったのかという疑いの眼差しだと、気がついた。

「いい!もういいって!!」

グルシアは息を荒くして、黒ビキニパンツを素早くひったくり、ローションとコンドームのパッケージをアタッシュケースに放り込んだ。

やっぱりこいつは魔女だ。

いつ、体のチェックをしていたのか。

「あーー、そーーー、お姫様とやるときは、つけないんか?
生でいいんか?それはまずいんじゃないか?」

魔女は不本意そうに肩をすくめたが、紅潮して歯をくいしばっているグルシアを見て、明らかに面白がっている。

挑発に乗るな!

こいつは口先だけの百合の花なのだから・・・グルシアはそう思うと冷静になった。

「私のプライバシーに、口を挟まないでくれ」

魔女は大きくうなずき、腕組みをした。

その態度は、上から目線で偉そうだ。

「確かに、他人にとやかく言われたくないのはわかる。
アンタも、天使としてのプライドがあるしな」

それに・・・お姫様とは、もうとっくの昔に切れているのだが・・・

魔女の情報は、更新されていないのか。

まったく、この魔女は言動と容姿にギャップがありすぎで・・・扱いに困る。

「私は天界に戻って残った仕事をする。先に寝ていろ」

グルシアはビキニパンツを、ズボンのポケットにねじ込んで立ち上がった。

「いってらっさい」

魔女は、小さな白のパンティをハンカチのように振って見送った。




< 56 / 92 >

この作品をシェア

pagetop