魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
考えても、答えなぞでないのだろう・・・疲れた・・グルシアは目を閉じた。

「ねぇっ・・・おい」

小さな手で肩をパシパシされる感覚で、グルシアが目をわずかに開けると、魔女がクマの着ぐるみ姿でベッド脇にしゃがんで、顔をのぞき込んでいた。

「ねぇ・・・アンタ、熱があるんじゃないのか?具合が悪そうだけど」

グルシアが目を微かに開けると、魔女のエメラルドの瞳が細められて、不安そうに揺れた。

「さっきから、ずっと咳きこんでいたし・・・」

グルシアは起きようとしたが、すぐに倒れ込んだ。

めまいで空間がゆがみ、だるさが押し寄せたからだ。

「今はニンゲンの体だからな・・・風邪をひいたのかもしれない。

だが天界に戻り、癒しを受ければすぐよくなる。問題はない・・・」

そのまま、グルシアは頭を押さえた。

動くとめまいがするし、このだるさはマズイ。

「天界に戻る」・・・本当にそうしたいのだが・・・

「んじゃさぁ、今すぐに天界に戻ったほうがいいんじゃね?」

魔女は小首をかしげて、提案した。

グホッ・・グッ・・

グルシアはせき込みながら、鈍くなった頭で段取りを考えていた。

そう・・・このまま少し眠って・・・明日になれば、サリエルが天界から戻ってくる。

そうしたら、こいつの身柄を預けて・・・すぐに天界に戻り、癒しをチャージすれば回復をする。

「少し眠れば・・・大丈夫だから。それに君を・・・下級天使には頼めない。」

とにかく、魔女は結界から出られないから、ここから逃げることは不可能なのだ。

それにもう夜中だ。

「・・・君も寝なさい」

グルシアはかすれた声で言うと、そのまま泥に引きずり込まれるように眠りに落ちた。
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