魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「魔力がないから、この体のコントロールも効かないんだ。
んで、なっちゃうと困るし・・・お腹も痛くなるし、ニンゲンのオンナは大変だよ」

オンナの体の事情・・・それ以上は、グルシアも突っ込むことがはばかれた。

「それにアンタの熱も心配だし、ほっとけないだろ」

「そうなのか・・・」

グルシアは、ふかぁーーくうなだれた後に、解熱剤を口に放り込んだ。

こいつは危険を承知で・・・薬を買いに外に出たのだ。

「その・・・体調が悪い時は言ってくれ。できるだけ配慮はする。
必要なら医療部門の天使を手配する。とにかく、絶対に勝手な行動はするな」

そう言いながら、指輪の石を確認した。

石は変色していないので、魔力を検知していないことを示している。

安堵の気持ちと共に、グルシアは額に手を当てて、再びベッドに倒れこんだ。

サリエルがいたら・・・その場で封印されても文句は言えない。

たまさか天界に戻っていたから、よかったものの。

この魔女は、口は悪いが素直というか、真面目と言うか・・・そして優しい。

「あのさぁ、アンタが熱を出したのは・・・アタシのせいかもって思う。
ずっと一緒にいて、魔界の波動で、アレルギー反応がでたんとちゃう?」

魔女は冷却シートのフィルムをペリペリとはがして、グルシアの額にそっと張り付けた。

その指先は氷のように冷たい。

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