魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「あら、こんにちは。緋色の天使様。あなたも天使にしておくのはもったいない美形なのね。
でも私一人で、お二人を相手にするのは、ちょっとね。
お名残り惜しいけど、今日は失礼しますわ」

リリカは、ポンとシナモン色の猫になり、生垣をするりと抜けた。

「追うか?!」

グルシアは、屋根に立ち周囲を警戒しているサリエルを見上げた。

「サラちゃんの対応が先だ。
ずっと聖別された領域にいたから、急に邪悪なオーラを浴びてショックを受けている」

魔女は教会の扉の前で、頭を抱えてしゃがみこんでいた。

「大丈夫かっ!」

グルシアが駆け寄った。

「頭がぐらぐらする・・けど、大丈夫だ」

「ちょい、マズイな」

その様子を見て、サリエルがつぶやいた。

「別の大魔女が、ここまで出ばって来るとは。
魔界の奴らが何かやらかす前に、長老は早く対応しろと言うだろうね」

グルシアは、渋い顔つきでサリエルを見た。

対応・・それは封印措置を早急に取れという意味だ。

「僕はすぐに長老に、判定結果と大魔女の接触の件を、報告しに行くよ」

サリエルは、緋色の翼を閉じるように、身を包み込むと、そのまま空中に消えた。



< 77 / 92 >

この作品をシェア

pagetop