魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「そうだな。でも、徴(しるし)があれば、君はここでニンゲンとして生きていけるだろう」

グルシアは、鼻が赤くなっている魔女を見た。

「だからさぁ、それは無理だって。やったら浄化の炎で焼かれてしまうだろ」

「浄化の炎を出さずに、徴(しるし)をつけることができるのか、何か方法があるはずだ」

「でもアンタも熱出したし、粘膜接触はやばいよ。
いくら魔界耐性が強いってもさ、唇が触れただけでも、キスマークがすぐについちゃったしね」

魔女は小さなため息とともに、頬づえをついて窓の外を見た。

「封印されるなら、ワイナリーのあるブドウ畑がいいな。
夕日が海に沈むのが、見える場所がいい。

そんでさ、その年のボージョレーヌーボーが出たら、アンタに、一番最初に飲んでほしいな。
その時ちょっとだけ、アタシの事を思い出してくれたら・・いいと思うけど」

そうか・・!!

ワイナリー・・ワインだ・・!!

グルシアは膝を打った。

「方法がないわけじゃない!」

すぐに立ち上がると、クローゼットの中にしまってある数本のワインから3本選んだ。

ソムリエナイフで封を切り、グラスに注ぎ入れた。

「これは修道院のブドウ畑でつくられている限定品のワインだ。
聖別の儀式の時に使う」

グルシアは、ワイングラスを魔女の目の前に突き出した。

邪悪度測定に、聖別されたワインを使う場合がある。
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