魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
「あああ・・じゃあ、取りあえず、ハグして、ベロチューだけでいいんか?」

魔女は、緊張感のない、空気の抜けたような声を出した。

「今やるべきは、君がこの世界でなんとしてでも、生き残ることだ。
魔界とは、違う生き方を選べ!!
<仮>でも徴(しるし)がつけば、道が開ける!!」

力強いグルシアの言葉に、魔女はうなだれて聞いていた。

「そうだね・・でもさ、危険な事をするんだし、アンタにとってメリットは何もないよ」

グルシアは静かに言葉を続けた。

「メリット?あるのは・・ただ、君を封印したくないという想いだ」

魔女は、首をブンブンと横に振った。

「アタシは・・アタシだって、アンタを危険にさらしたくないよ。
失敗したらアンタだって、どうなるかわかんないんだよ」

魔女はしゃがみこんで、頭を抱えた。

「アンタには得になることは、まったくないんだよ。
こんなヘンタイみたいなやり方で、徴(しるし)をつけるのってオカシイじゃん」

ヘンタイ・・・むむむむ・・グルシアは額にしわを寄せた。

「ピアノを一緒に弾いた時に、確信した。
私は、深い感情を君に抱いている事に」

「深い感情・・?」

魔女は、グルシアの真剣な表情に、思わず唇をかみしめた。

「ああ、失う事が・・君を封印したら・・私は絶望のあまり、どうなるかわからない。
そういった感情だ」

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