魔女の受難と天使の試練・監視という奇妙な同居生活からはじまる愛
長老の光が、フックのように形を変えて、すいっと指輪をすくい上げると、ゆっくりと上昇を始めた。

「ここまで来れば、大丈夫だろう」

長老の杖が額から離れると

「あああ・・・」

魔女がうめき声を上げた。

「アレクサンドラっ!!」

魔女の目からうっすらと涙が流れ、かすれた声が漏れた。

「指輪・・・」

「まだ、混乱しているかもしれないが、意識は、少しずつ取り戻すだろう」

「それとこの魔女が・・・いや、元魔女だが・・・
君の女神になるなら、中級天使ランクにしないといけないな」

その長老の言葉に、グルシアは深く頭を下げた。

「重ね重ねのご配慮、痛み入ります」

「とにかく、早く戻って仕事をしてくれ。君の報告書もまだ出ていないぞ
それでは、私は戻る。」

長老がうなずき、紫紺のローブを翻すと、紫の翼が出現して、金の粉をまき散らしながら消えた。

1枚の紫の羽が・・・

クルクルと空中を舞い、魔女はその落ちる軌跡を、ぼんやりと目で追いながら・・・思い出していた。

あの銀の小箱、紫の羽を持っていたアレクシス。

愛の証の羽。
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