映えるキミと恋をする
奇跡的に街で会えたりはなくはないかもしれないけど、これでさよならって思うと、なんだか少し……寂しいって気持ちがわいてくる気がして。
連絡先は交換していても、私から何かを送るようなことは……出来ない。
それに紫音さんは有名な方で美形で……彼女とかいるだろうし。
偶然の関係をダラダラと続けてもらうわけにはいかない。
「……あれ?」
「どうし──」
何事かと思い、紫音さんと同じように空を見上げれば顔に水滴が。
雨なんて予報じゃなかったのに。
あわてて鞄から折りたたみ傘を取り出し、紫音さんをいれた。
同じくあわててカメラとスマホをしまい鞄を抱きしめる紫音さんにお礼を言われ、うんうんと頷いているこのわずかな間に雨は土砂降りに。
辺りにいた人たちは傘がないせいで、散り散りに走っていった。
これでは一瞬にしてずぶ濡れだろう。傘にあたる雨粒の音がすごいから。
あっという間に周りは水浸しで私たちの足には水がはねてくる。


