素のまま恋


「仮病、ここで本当に使っちゃおうかな」


ベッドに寝転がり、貴公子のメッセージ欄をタップしては画面が暗くなり、タップしては暗くなりの繰り返し。

……休んだら、貴公子には会えない。

会え──


「会えないってなに!?まるで会いたいみたいな……」


ひとり自分の思考に驚いて起き上がる。
思考を振り払うように首を振って、また寝転んだ。


──『詩姫は、貴公子殿のことどう思ってるの?』


どうって……。


本当は、


なんとなく、分かってはいるつもり。

私は、漫画とかのかわいいヒロインみたいな鈍感体質ではないから。


貴公子の姿や言動で何度か経験した気持ちはきっと──"好き"っていう意味。

赤くなるのも熱くなるのも、高鳴る鼓動も、もしかして私、貴公子を……そう感じながらも否定して隠してたから。


分かってる。

ただ、きちんと自問自答して自覚するのを後回しにしたというのか……しっかりと認めたら、レッスンどころじゃなくなる気がしていた。

そして、この間の光景。

貴公子への気持ちは認めても、やはりレッスンには行きたくない。
顔見たら、また強がったりして変なこと口走りそうで。
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