あなたの××××に触れたい
昨日の仕事終わりに、美容院で肩下まで伸びた髪を二センチほどカットした。
たったそれだけのことなのに、すがすがしい気持ちになるから不思議だ。
ふわりと舞うそよ風に、切ったばかりの髪がサラリとなびくのを心地よく思いながら歩を進める。
今の時刻は午前十一時二十分。
五月下旬の日曜日。今日の天気は雲ひとつない快晴。
晴れてよかった……。
足取りも軽やかに待ち合わせ場所である公園に着くと、顔なじみの〝彼〟の姿を見つけた。
余分な脂肪がない筋肉質で引き締まった大きな体躯、凛々しく精悍な顔つきをしている彼は文句なしにカッコいい。
その颯爽とした姿に見惚れること数秒。
私、綿谷すみれの姿を認めた彼は、口角をあげて笑顔を見せる。
私が歩み寄ると、彼は人目もはばからず両手を上げて抱きついてきた。
ストレートな愛情表現がうれしい。
高ぶる気持ちを抑えきれない彼の背中に両腕を回して、熱い抱擁を交わす。
「綿谷さん。こんにちは」
「こんにちは。お待たせしてすみません」
「いいえ。約束の時間までまだ十分あります。俺たちが早く来すぎただけなので気にしないでください」
背中に回していた腕を離して短い会話を交わしても、彼は息を荒らげてまとわりつく。
私に会えて喜んでくれるのはうれしい。でも興奮しすぎるのはあまりよくない。
対応に困っていると、喜多川要が冷静に口を開く。
「レオ、おすわり」
その言葉を聞いた彼は、次第に落ち着きを取り戻して指示に従った。
私とハグを交わした〝彼〟は黒のドーベルマンのレオくん、五歳。そして喜多川さんはレオくんの飼い主だ。
「よし、いい子だ」
喜多川さんはおすわりをしたレオくんの横に屈み、首回りから背中に向かってゆっくりとなでた。
喜多川さんとレオくんは、私が勤めているペットサロンのお得意様。
ドーベルマンは短毛のため被毛をカットするトリミングは不要で、シャンプーと爪などのお手入れをするのが一般的。
月に一回のペースで来店してくれている喜多川さんとレオくんは、ありがたいことにその都度私を指名してくれる。
たったそれだけのことなのに、すがすがしい気持ちになるから不思議だ。
ふわりと舞うそよ風に、切ったばかりの髪がサラリとなびくのを心地よく思いながら歩を進める。
今の時刻は午前十一時二十分。
五月下旬の日曜日。今日の天気は雲ひとつない快晴。
晴れてよかった……。
足取りも軽やかに待ち合わせ場所である公園に着くと、顔なじみの〝彼〟の姿を見つけた。
余分な脂肪がない筋肉質で引き締まった大きな体躯、凛々しく精悍な顔つきをしている彼は文句なしにカッコいい。
その颯爽とした姿に見惚れること数秒。
私、綿谷すみれの姿を認めた彼は、口角をあげて笑顔を見せる。
私が歩み寄ると、彼は人目もはばからず両手を上げて抱きついてきた。
ストレートな愛情表現がうれしい。
高ぶる気持ちを抑えきれない彼の背中に両腕を回して、熱い抱擁を交わす。
「綿谷さん。こんにちは」
「こんにちは。お待たせしてすみません」
「いいえ。約束の時間までまだ十分あります。俺たちが早く来すぎただけなので気にしないでください」
背中に回していた腕を離して短い会話を交わしても、彼は息を荒らげてまとわりつく。
私に会えて喜んでくれるのはうれしい。でも興奮しすぎるのはあまりよくない。
対応に困っていると、喜多川要が冷静に口を開く。
「レオ、おすわり」
その言葉を聞いた彼は、次第に落ち着きを取り戻して指示に従った。
私とハグを交わした〝彼〟は黒のドーベルマンのレオくん、五歳。そして喜多川さんはレオくんの飼い主だ。
「よし、いい子だ」
喜多川さんはおすわりをしたレオくんの横に屈み、首回りから背中に向かってゆっくりとなでた。
喜多川さんとレオくんは、私が勤めているペットサロンのお得意様。
ドーベルマンは短毛のため被毛をカットするトリミングは不要で、シャンプーと爪などのお手入れをするのが一般的。
月に一回のペースで来店してくれている喜多川さんとレオくんは、ありがたいことにその都度私を指名してくれる。