あなたの××××に触れたい
「晴れてよかったですね」
「私もそう思ってました」
天気を気にしていたのは、これからドッグランに行くから。
先週の土曜日。レオくんのグルーミングが終わり、お見送りをするためにサロンの外に出たときに「来週の日曜日にドッグランに行く予定なんですけど、一緒にどうですか?」と、喜多川さんに誘われた。
ドッグランには一度も行ったことがなく、どんなところなのか興味があったし、なによりも喜多川さんとレオくんと一緒に出かけられるのがうれしくて、すぐにOKの返事をしたのだ。
「綿谷さん。髪切りましたか?」
「あ、はい。少しだけ」
喜多川さんはレオくんをなでていた手を止めて立ち上がる。
仕事中はストレートの髪をひとつにまとめている。だから髪を二センチほど切っても大抵の人は気づかないはずだ。
前髪が短すぎたのかもしれない……。
気恥ずかしさを感じつつ、指先で前髪にそっと触れる。
「髪をおろすと印象が変わりますね。大人っぽく見える。それにその黄色のトップスも綿谷さんにとても似合ってます。素敵です」
「あ、ありがとうございます」
ドッグランにスカートで行くのはマナー違反のような気がして、初夏を意識したレモンイエロー色の七分袖のブラウスを新しく買い、紺色のパンツを合わせてきた。
百五十三センチという低めの身長と、厚みのある唇が小さい頃からのコンプレックス。しかも垂れ目がちな瞳と丸みのある輪郭のせいで、実年齢の二十五歳より幼く見られがちなため、容姿を褒められることは滅多にない。
これは社交辞令。
褒め上手な喜多川さんの言葉を真に受けて浮かれてはダメだと、心の中で自分に言い聞かせた。
センターパートの黒髪に切れ長の奥二重の目。通った鼻筋と形のいい唇がバランスよく配置された彼は誰もが認めるイケメン。
喜多川さんとレオくんが来店すると、女性スタッフが色めき立つ。
もちろん私も、そのうちのひとり。
高身長な喜多川さんと、凛々しいレオくんと会えるのを心待ちにしている。
「駐車場に車を止めてあるので移動しましょうか」
「はい」
ドッグランはここから車で三十分ほどの距離にあるらしい。
「私もそう思ってました」
天気を気にしていたのは、これからドッグランに行くから。
先週の土曜日。レオくんのグルーミングが終わり、お見送りをするためにサロンの外に出たときに「来週の日曜日にドッグランに行く予定なんですけど、一緒にどうですか?」と、喜多川さんに誘われた。
ドッグランには一度も行ったことがなく、どんなところなのか興味があったし、なによりも喜多川さんとレオくんと一緒に出かけられるのがうれしくて、すぐにOKの返事をしたのだ。
「綿谷さん。髪切りましたか?」
「あ、はい。少しだけ」
喜多川さんはレオくんをなでていた手を止めて立ち上がる。
仕事中はストレートの髪をひとつにまとめている。だから髪を二センチほど切っても大抵の人は気づかないはずだ。
前髪が短すぎたのかもしれない……。
気恥ずかしさを感じつつ、指先で前髪にそっと触れる。
「髪をおろすと印象が変わりますね。大人っぽく見える。それにその黄色のトップスも綿谷さんにとても似合ってます。素敵です」
「あ、ありがとうございます」
ドッグランにスカートで行くのはマナー違反のような気がして、初夏を意識したレモンイエロー色の七分袖のブラウスを新しく買い、紺色のパンツを合わせてきた。
百五十三センチという低めの身長と、厚みのある唇が小さい頃からのコンプレックス。しかも垂れ目がちな瞳と丸みのある輪郭のせいで、実年齢の二十五歳より幼く見られがちなため、容姿を褒められることは滅多にない。
これは社交辞令。
褒め上手な喜多川さんの言葉を真に受けて浮かれてはダメだと、心の中で自分に言い聞かせた。
センターパートの黒髪に切れ長の奥二重の目。通った鼻筋と形のいい唇がバランスよく配置された彼は誰もが認めるイケメン。
喜多川さんとレオくんが来店すると、女性スタッフが色めき立つ。
もちろん私も、そのうちのひとり。
高身長な喜多川さんと、凛々しいレオくんと会えるのを心待ちにしている。
「駐車場に車を止めてあるので移動しましょうか」
「はい」
ドッグランはここから車で三十分ほどの距離にあるらしい。