片想いが終わる頃、恋が始まる。


同い年ということもあって、すぐに仲良くなった俺とすいちゃん。


そこに葵が加わって、俺たちはいわゆる"幼馴染"という関係になった。




──成長していくにつれ、俺はすいちゃんから、いろんな秘密を教えてもらった。




本名は東雲翠(しののめすい)で、周りからは"翡翠(ひすい)"と呼ばれていること。


そして……お嬢という立場にいるけれど、組長とは血の繋がっていない"養子"だということ。

(……その点、葵は組長の実の息子らしい)



でも、そんなこと関係なかった。


すいちゃん───翡翠が、誰と血が繋がっていようがいまいが、どうだってよくて。



時間が経つにつれて、少しずつ大人びていくその横顔に。


俺の心は、ゆっくりと、だけど確実に、彼女に惹かれていった。






他の女なんて視界に入らないくらい、ただ彼女のことだけを見つめていた、その頃の俺は。


本当は、なんとなく察していた。



────俺は、彼女に"幼馴染"としか見られていないこと。


そして。

彼女の特別な視線は、いつだって、葵に向いているということを。





……でも。

それでも。



一度生まれてしまった気持ちを、なかったことにするなんて、俺には出来なくて。



──止めようとすればするほど。


彼女への想いは、痛いくらいに、どんどん膨らんでいった。



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