ライバル同期の緒方は魅力的な手をもっている
「それ聞いて安心した」
「安心?」
「だって打ち合わせの間中、諸星と目線が合わなかったからさぁ。やっぱり嫌われてるんだと思って、ちょっとショック受けてたんだよね」
予想もしなかった緒方の話に、麻由葉は思わず「へ?」と変な声を出してしまう。
「待って待って! 緒方って私に嫌われてるって思ってたの?」
「そりゃあね。営業成績の発表の時とか、何度睨まれたか知れないし」
わざとらしく小さく口をとがらせる緒方に、麻由葉は再び「違う違う!」と大きく両手を振る。
「あ、あれは! 確かにね、緒方をものすごーくライバル視してるのは本当。だって私も営業成績で一位になりたいし。でも、だからって嫌いじゃないよ。むしろ涼しい顔して、いくつも契約取ってくる緒方を尊敬してる」
真剣な表情を覗き込ませる麻由葉に、緒方は優しくほほ笑んだ。
「ありがとう。でも俺だって、結構苦労してるんだぞ」
くすりと笑う緒方に、麻由葉は静かにうなずく。
緒方が意外に繊細で、ひとに気を配るタイプだということは、この手を見ればわかる。麻由葉の些細な目線の動きを気にしていたり、コーヒーの好みを把握していたのもそのひとつだろう。
みんな緒方の外見のクールさに騙されるけれど、本当は人一倍努力しているひとなのだと思った。
「わかるよ」
「え?」
「緒方が誰よりも努力してるってこと、この手を見ればわかる。そうでなきゃ、万年トップなんて取れないよね。悔しいけど!」
わざとおどけたように話す麻由葉は、自分をじっと見つめる緒方の瞳に戸惑って慌てて目線を逸らす。
妙に胸がドキドキする。緒方とこんなにも自然に話ができるとは思ってもみなかった。
「安心?」
「だって打ち合わせの間中、諸星と目線が合わなかったからさぁ。やっぱり嫌われてるんだと思って、ちょっとショック受けてたんだよね」
予想もしなかった緒方の話に、麻由葉は思わず「へ?」と変な声を出してしまう。
「待って待って! 緒方って私に嫌われてるって思ってたの?」
「そりゃあね。営業成績の発表の時とか、何度睨まれたか知れないし」
わざとらしく小さく口をとがらせる緒方に、麻由葉は再び「違う違う!」と大きく両手を振る。
「あ、あれは! 確かにね、緒方をものすごーくライバル視してるのは本当。だって私も営業成績で一位になりたいし。でも、だからって嫌いじゃないよ。むしろ涼しい顔して、いくつも契約取ってくる緒方を尊敬してる」
真剣な表情を覗き込ませる麻由葉に、緒方は優しくほほ笑んだ。
「ありがとう。でも俺だって、結構苦労してるんだぞ」
くすりと笑う緒方に、麻由葉は静かにうなずく。
緒方が意外に繊細で、ひとに気を配るタイプだということは、この手を見ればわかる。麻由葉の些細な目線の動きを気にしていたり、コーヒーの好みを把握していたのもそのひとつだろう。
みんな緒方の外見のクールさに騙されるけれど、本当は人一倍努力しているひとなのだと思った。
「わかるよ」
「え?」
「緒方が誰よりも努力してるってこと、この手を見ればわかる。そうでなきゃ、万年トップなんて取れないよね。悔しいけど!」
わざとおどけたように話す麻由葉は、自分をじっと見つめる緒方の瞳に戸惑って慌てて目線を逸らす。
妙に胸がドキドキする。緒方とこんなにも自然に話ができるとは思ってもみなかった。