同居人がめんどくさい
「あ、亜紀さん...」

亜紀さんの元気な声が小さなカフェの店中に響いている。

店員さんが、どう対応しようかと私たちの様子を遠巻きに観察している。

やっと亜紀さんもそれに気づき、あ、ごめんなさいね、と口に手を当てながら笑う。

「それじゃあ、行きましょうか。」

昨日出会った時の印象のまま現れた亜紀さんに、ホッと胸を撫で下ろす間も無く、亜紀さんが私の大きなスーツケースに手をかけ、移動させていく。

「うるさくしちゃってごめんなさいね。また来ます〜」

カフェから出る間際、こちらの様子を眺めている店員さんに向かって、亜紀さんがそう言った。

私も慌てて、残りのカフェラテを流し込み、後を追いかける。

「ごちそうさまでした。」

店員さんに向かって軽くお辞儀をすると、店員さんの呆気に取られた顔が目に入った。

亜紀さんのパワフルな勢いに気圧されてしまっている。

わかるよ、と私はそっと心の中で店員さんの気持ちに同意した。

亜紀さんには、太陽という比喩がピッタリハマる。

話し方もハキハキしてて、亜紀さんの声が聞こえたら、誰でもつられてそちらを向いてしまうんじゃないかと思う。

それによく笑う人だ。

「香恋ちゃん、行くよ〜!」

スーツケースをトランクに入れ、亜紀さんが手を振っている。

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