同居人がめんどくさい
男の向かいに置かれたパスタの皿からも、ホカホカと湯気が上がっている。

「...あの、これ...食べてもいいんですか?」

美味しそうに頬張る男の様子に耐えかね、おずおずと尋ねる。

「どうぞ。あなたの為に作ったものなので。」

男はこちらを見ることなく、平坦な口調でそう言った。

なんだか、突き放すようなそんな態度に見えた。

不審者のように扱ってしまったのが、癇に障ったのかもしれない。

「...いただきます。」

「どうぞ。」

やはり男はこちらを一切見ずにそれだけ言った。

改めて近くで見ると実に美味しそうなカルボナーラだ。

どんな卵やクリームを使ったのかわからないけれど、私がよく食べるレトルトのやつとは色が全然違う。

私がいつも食べるのは、粘度があまりない水っぽい黄色いソースだけれど、このパスタはオレンジに近い黄色で、どろっとしている。

フォークに巻き取って、一口食べてみる。

「美味しい...。」

思わず、口から言葉が漏れた。

その声に反応して、男がこちらに顔を向ける。

「それはよかったです。」

そう言った男の表情は先ほどより少し綻んで見えた。

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