同居人がめんどくさい
「ごちそうさまでした。」

食べ始めると止まらなくなり、気づくとあっという間に平らげてしまっていた。

「どうぞ。」

食べ終わると同時に、紅茶が差し出される。

「あ、ありがとうございます。」

なんだかぎこちない言い方になってしまった。

男がもう一つのカップを片手に、向かいの席に座る。

先ほどまでパスタを食べていた皿は、男が回収し、流しに持って行ってくれた。

熱々のカップにそっと口をつける。

なんだかホッとする味がする。

「亜紀から何も聞いてないんですか?」

カップの紅茶を冷ましながら、男が聞く。

「私はただ...」

これまでのやり取りを伝える。

亜紀さんは、「私たちの家にくればいい」、と提案してくれた。

だから、私はすっかり、亜紀さん家族と同居するんだと思っていた。

それがどういうわけか、亜紀さん親子ではなく、見たこともない男性が目の前にいる。

「どういうことなのか、私にもよく分からなくて...。」

そう事のあらましを伝えると、男は黙って頭を抱えた。

「...なるほど。」

それだけ言って、深いため息をついた。

男の反応がどういう感情から来る反応なのか分からなかったけれど、私はひとまず、これまでの亜紀さんとのやり取りを思い返してみる。

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