同居人がめんどくさい
私の言いたいことが伝わったようで、男も理解したと言わんばかりに頷く。

やはり、同居人がいるよりも1人で暮らした方が彼的にもいいようだ。

「ですが、あなたがここに住むことで、こちらにもメリットがあるんです。」

だからこそ、自分はこの同居に賛成したと男は言うのだ。

メリット...?

さっき、考えられるだけの可能性は全て考えた。

けれども、この同居に、男にとってのメリットなんて一つも見つからなかった。

“そういう事”を除いては。

つまり、メリットって...

男に一通りの疑念を抱いたところで、改めて尋ねる。

「...なんですか、そのメリットって?」

その回答を聞きたくないなと思いながらも、聞くしかなかった。

男は小声でぶつぶつと、「亜紀が伝えてると思ってたのに...」、とかなんとか言っている。

うん...まあ、面と向かっては言いたくないよな。

なんて心の中で憐んでしまう。

「...亜紀から聞いていないんですか?」

「はい。全く。何も。」

「...」

よほど言い出しにくいのか、男はそのまま黙ってしまった。

自分でも言いにくい事を亜紀さんに言わせるなよ、なんて思ってしまう。

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