同居人がめんどくさい
「さっきも言いましたけど、私は好意を持った女性以外とはそのような事をするつもりがないので。」

男は澄ました顔でそうキッパリと言い切った。

「...はあ。」

私は曖昧に返事をした。

その態度が男に、全然理解していない、と受け取られたようで、男は必死にこれまでどれだけ自分が女性に苦労してきたかを語った。

その話を半分聞きながら、半分は聞き流しながら、私の脳内では、先ほどからの男の言葉と態度が延々と繰り返し流れていた。

“女性には困っていませんので”、とツンとした態度で紅茶を啜る男。

“女性に言い寄られて大変だ”と嘆く姿。

今話している内容もまとめると、”自分はモテ過ぎて困るから、いつか迫り来る緊急時に備えて、彼女がいます、と言えるようにお飾りの彼女が欲しい”と、そういうことらしい。

「...」

笑いを堪えるのに必死だよ。

なんだよ、それ。

どこの国民的美青年だよ。

国宝級イケメンかよ。

イケメン俳優気取りかよ。

こんなことを考えていたら、すっかり男の話なんて聞いていなかった。

...やばい。

笑ってしまいそう。

必死に笑いを堪える。

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