真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!
混乱した感情で、それでも午後の訓練を終わらせた私は、スッキリしない今の気持ちを少しでも晴らそうと、王宮内にあるバラ園を散歩することにした。
今夜は夜の会食もなく、時間までに食堂に行けばいいだけだし、1人でゆっくりバラを眺めたい気分だった。
何人もの庭師さんが手入れをしているこのバラ園は今満開。いろとりどりのバラが咲き乱れ、夕日に映えてとてもきれい。

「アリア?」

バラに見とれていると、いきなり声をかけられた。

「はい!?」

ビックリして声の方を振り向くと、そこにいたのは王太子ラフィール。
なんでこんなところに?
慌てて姿勢を正す私。

「ラフィール様、こんなところでお会いするとは…」

「僕もビックリだ」

親し気な笑顔を見せるラフィール様。
えーっと…。
私は何を話せばいいのかわからず、目を泳がせてしまった。

「君もバラが好き?」

「え!いや!はい、そうですね!とってもきれいです」

まさか1対1の状況になるなんて思ってもなかったから、妙に緊張してしまう…。

「ふふ。最近の君は元気でいいね。最初とイメージが全然違う」

楽しそうに笑うラフィール様。
確かに、キャラ変した自覚はあるけど。

「今日の服もとても似合ってる」

「はぁ…」

立て続けに褒められても、面食らっちゃうよ。
ちなみに、今日は水色のブラウスに、クリーム色のワイドパンツを合わせている。

「最初からそれでよかったのに」

もう言葉も出なかった。
この人、どういうつもりで言っているんだろう…。
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