真面目だけが取り柄の聖女候補ですが、今日から頑張るのをやめます!
「どうしてここまで言われないといけないの!?」

部屋に戻った私は、思わず叫んでいた。
イライラする…。どうしてこんなにイライラするの?

「聖女になることも、王太子妃になることも、人を愛することも、真剣に考えたことなどないのでしょう」

「同じ立場の私のことすら、あなたは興味を示さず、何も見てこなかったのです」

ミルティーヌに言われた言葉が、頭の中でグルグル回ってる。
私だって、聖女になるために努力を積み重ねてきたのに。
寝る間を惜しんで頑張ってきたのに。

「でも…それが当たり前だと思ってやっていただけ…」

聖女候補に選ばれてから、私は当然のように努力した。
努力が義務だと思っていたから。
そうだ…そこに私の考えなんてなかったんだ…。
ミルティーヌの発言は、全部図星だった。
私は、考えることを放棄して、ただ目の前の課題をこなそうと必死なだけだったんだ。

ズバリ言い当てられて、見透かされたように感じて、私はあのとき動揺した。
このイライラは、自分へのイライラだ。
思慮深いミルティーヌに圧倒的な差を見せつけられ、自分に幻滅してイライラしているんだ…。

イライラの原因がわかると、今度は激しく落ち込んだ。
私って、本当に何も考えてなかったんだ…。
今日ミルティーヌに言われた全部の言葉が、胸に突き刺さる。
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