最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
「朝比奈さん」

突然、先生に名前を呼ばれて顔を上げた。

「っ、はい!」

思わずガタッと音を立てて立ち上がった。

「確か、今日から始まるんだよね。

家庭教師?だっけ」

「……はい」

先生はにこやかに笑った。

「君なら大丈夫だと思うよ。

あんまり気負いすぎず、気楽にね。」

「ありがとうございます」

(先生、たぶん私のことを過大評価しています)

そう思いつつも、ペコっと頭を下げた。

その足で、指定された特別教室へ向かう。

いつもなら何とも思わない距離なのに。

今日はやけに長く感じる。

一歩進むたびに胃が痛んだ。

逃げたい。

でもなんでか、逃げたらもっと後悔する気がした。

小さく息を吸う。

(吸って....吐いて.....落ち着け...落ち着け...)

大丈夫。

勉強を教えるだけ。

相手が御曹司でもトップ4でも、大きく括れば同じ高校生なのだ。

……うん。その、はず。

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