最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
窓際の席で、夕日を背にしてこちらを見る鋭い瞳。

黒髪をかきあげる長い手足。

かきあげた黒髪の下から、整った端正な顔が見えた。

遠目で見るより、ずっと存在感がある。

桜華学園のトップ4。

学園中の女子が憧れる、完璧な御曹司。

……なのだけれど。

私の第一印象は―――ただひたすら、『怖い』だった。

「……お前が?」

九条くんは、机に寄りかかったまま私を見る。

「朝比奈紡です。本日から家庭教師を担当します」

できるだけ普通に言ったつもりだった。

けれど、声が少し震えてしまった。

バレたかもしれない。

すると九条くんは、少し眉を上げた。

「……緊張してんな」

「え」

「声だよ声。」

「あ……」

思わず口を閉じる。

やっぱり分かりやすかったみたいだ。

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