最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。

努力家なんですか?九条くん

「……九条くん」

私は机の上に教材を置く。

「まずはテスト範囲を確認しましょう」

「は?」

「来週、小テストありますよね」

「……」

「九条くんはこういう基礎問題自体が苦手だと思うんです」

ピクリ、と九条くんの表情が変わった。

「なんで分かる」

「答案を見れば分かります」

「俺の答案、見たのか?」

「学園長から資料をいただきました」

九条くんは黙りこくってそっぽを向いた。

「……俺が何点だったかも知ってるのか」

「はい」

「チッ。

…………笑いたきゃ笑えよ。」

思わぬ言葉だった。

「え?」

「トップ4のくせにこの点数かーって」

九条くんは、深く重たいため息を吐いた。

「どーせみんなそう思ってる」

その瞬間、私の中でようやく辻褄が合った。

この人は怒っているんじゃない。

――――怖がっているんだ。

できない自分を見られることを。

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