最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
「九条くん?」

「……あー...」

少し間を置いて、ぐしゃぐしゃと髪をかきあげた。

「わっかんねぇ」

意外だった。

もっと意地を張ると思っていたから。

でも九条くんは、悔しそうに眉を寄せながら問題集を見る。

「説明は分かるけど、

問題になると解けねぇし意味わかんねぇ」

……なるほど。

私はもう一度、九条くんの答案に視線を移した。

(やっぱり、知識がないわけじゃない。)

ただ、覚えたことをどう使えばいいのかが分かっていないのだろう。

「九条くん」

「何」

「例えばなんですけど」

私はペンを置いた。

「料理ってしたことありますか?」

突然の質問に、九条くんが怪訝そうな顔をする。

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