最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
「……は?」

「料理です、料理。クッキング。」

シャーペンを持った右手を軽く上下して、

包丁のような仕草をしてみせる。

「なんで勉強中に料理の話になるんだよ」

「説明しやすいかなと思って」

「……」

九条くんは少し考える。

「簡単なもんなら.....調理実習で。」

「じゃあ仮に、九条くんがカレーを作るとします」

人差し指を立てて、ホカホカと湯気を立てるカレーを想像した。

(お腹すいたなぁ.....)

一瞬湧いた雑念を振り払う。

「材料は、じゃがいも、にんじん、お肉、ルーと様々です。」

「?まぁ。」

「でも、材料を全部鍋に入れただけじゃ、

おいしいカレーにはならないですよね」

「……おー。」

「切る順番や火を通す時間、味付けのタイミングが大事なんです」

私は問題集を指して、できるだけニコッと口角を上げて笑った。

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