最下位特待生は、学園トップ4の家庭教師になりまして。
そう言って私の手からノートをひょいっと取ると、

そのまま歩き出した。

「じゃ。」

「あっ、九条くん!」

呼び止めると、九条くんは面倒くさそうに振り返った。

「なんだよ」

「今日も勉強、頑張ってくださいね!」

一瞬の沈黙。

それから九条くんは、ふっと目を細めた。

「……おう」

短く返事をして歩いていく後ろ姿を見送りながら、私は首を傾げた。

昨日より少しだけ話しやすくなった……気がする。

家庭教師としての役目は、思っていたより順調なのかもしれない。

……なんて。

このときの私は、全然気づいていなかった。

廊下のあちこちから向けられる、ものすごい数の視線に。

「ねぇ!」

「ひっ!?」

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